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私とホラー映画との出会いはちょうど小学生の頃。少年漫画誌…あれは確か『少年キング』だったでしょうか?雑誌の末尾に公開される新作映画のミニ告知が、わずかな文章だけで記載されたものでした。その中であのSK映画の金字塔である『エイリアン』が紹介された衝撃が、今となってはトラウマのごとく脳裏に焼き付いています。

「人の腹を食い破って現れる」「人知を超えた知能を有し」「ものすごいスピードで形態を変えカモフラージュする」そして人間は、この生物になすすべもなく一人、また一人と命を落としていく……

その後テレビで実際に映画が放送されると、それはもう強烈なショックを受けました。当時は今に比べるとまだ倫理的な空気が薄い時代(?)でしたので、土曜の9時とかわりとゴールデンタイムに近い時間にこのような作品を放送するのが普通でしたが、あまりの残酷描写、そしてそれを上回る「不安な気持ちを煽る空気感」にかなり参っていたような気がします。そしてその頃は「ホラー映画がかなり苦手」になったはずだったのですが…『サンゲリア』の一部シーンがテレビで流れたときには、かなり吐きそうになったくらいでしたし。


しかしあれからもう何十年も過ぎた今になって、あの頃「文章で衝撃を受けた」作品を見ると、また違った刺激が自分に刺さる感覚を覚えています。あの頃の『少年キング』で『エイリアン』なみに衝撃を受けたのが『ゾンビ』。いわゆる『ドーン・オブ・ザ・デッド』の紹介だったのですが、これは残酷描写がかなり強烈、ということで長い間見ることを躊躇していました。しかし今になってみると、それほどではない(当時のレベルで考えるとやはりかなり強烈だったことは間違いないかと。今どきのリアルを突き詰めたものに比べれば)とは思う一方で、「今の社会にも響く作品だ!」と別の魅力を見つけてしまったのです。

そして近代ゾンビの生みの親であるジョージ・A・ロメロのことを書籍などで知れば知るほどに、このジャンルの作品に異様に興味を持つようになり、今に至るというところであります。

単純に映画作品から受ける「怖い」という感覚は、ジャンル映画的な評価を受けやすいものと分類されがちではあります。しかしこのジャンルも進化を進めており、「これは単に『楽しい』怖さ追求だな」と感じられる駄作も多く出ている中で、作品傾向や作品自体の完成度の高さから内容の濃い「ホラー映画」もたくさん出ていることに、近年は新たな魅力も感じているところであります。その魅力とは、日常生活の機微を描いた繊細な映画より様式的な美しさを全面に出したり、鳥肌の立ちそうな残酷さをアピールしたりと、ダイレクトに突き刺さってくる強い刺激を与えてくれるところにあるといえるでしょう。

こんな感じで、私の心にグサッと突き刺さった映画やトピックスの数々を楽しく紹介していければ、と思いこのサイトを立ち上げました。怖い映画をコワく、というのはちょっと当たり前すぎるような気もしたので、サイトには可愛らしいイラストをあしらってみていますが、まあいずれ変えるかも……とにかくできるところまで思いを発信していければと思っています。

みなさんも是非、ホラーを「楽しんで」ください。

2024/10/2  
黒野でみを

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