「地方移住」い新たな希望を見出した夫婦が遭遇する恐怖を描いたサスペンス・スリラー映画『嗤う蟲』が公開されます。
今社会的にも注目を集める移住生活をテーマに、全編に不気味な雰囲気を漂わせるこの作品。ピンク映画、Vシネマなどの作品を数多く手掛けながらも、人間の本質に迫ってきた城定秀夫監督が、とある地方の田舎生活を舞台におぞましい人間の闇に迫ります。
作品概要
日本各地に存在する村八分事件をもとに、地方で存在するといわれる、破ってはいけない“村の掟”の数々を描写、日本にある、見えない傾向にある“村社会”の闇を描いたヴィレッジ・スリラー。
監督:城定秀夫
出演:深川麻衣、若葉竜也、松浦祐也、片岡礼子、中山功太、杉田かおる、田口トモロヲ
2024年製作/99分/PG12/日本
劇場公開日:2025年1月24日より全国ロードショー!
あらすじ
田舎暮らしに憧れるイラストレーターの杏奈(深川麻衣)は、脱サラした夫・輝道(若葉竜也)と共に都会を離れ、麻宮村に移住する。麻宮村の村民たちは、自治会長の田久保(田口トモロヲ)のことを過剰なまでに信奉していた。
二人は、村民たちの度を越えたおせっかいに辟易しながらも新天地でのスローライフを満喫する。そんな生活のなかで杏奈は、麻宮村の村民のなかには田久保を畏怖する者たちがいる、と不信感を抱くようになっていく。
一方、輝道は田久保の仕事を手伝うことになり、麻宮村の隠された<掟>を知ってしまう。それでも村八分にされないように、家族のため<掟>に身を捧げることに……。
ここが期待ポイント!
どうでしょう?この田口トモロヲさんのかなり強烈なビジュアル!(笑)。予告動画からすると、トモロヲさんはいわゆる「村人さん」ということですが、つまりはこの不気味な笑顔が移住者に対しての恐怖を駆り立てていくわけであります。
以前も別記事で書きましたが、笑顔というのは近年のホラーではある意味重要なポイント。「絶叫」「スクリーム」といった点が以前はフィーチャーされていましたが、今は恐怖を与える人物の「笑顔」をいかに印象的に描くか、というところに注力しているようにも見えてくるでしょう。
果たしてここで述べている「ありがっさま」の真意とは?この笑顔とともに非常に不安を掻き立てる要素であります。
またもう一つの注目点としては「ヴィレッジ・スリラー」であるということ。こんな「ジャンルあるのか?」と言われれば、意外にありますよね。M・ナイト・シャマランが手掛けた『ヴィレッジ』(2004年)はかなり注目を集めたサスペンスでありました。
日本でも近年、コロナ禍の影響もあってか「地方移住」が注目を集めている一方で、移住者が移住先に馴染めるか、といえば実はなかなか難しいところ。地方と都会のギャップを埋めきれないところで見えない障害はさまざまにあるとも考えられます。
その意味では、日本映画としてもさまざまなジャンルでこのテーマを盛んに取り上げる傾向もあります。近年で印象的なのは、2023年の『みなに幸あれ』。かなり不気味な空気感を鴨した作品でありました。また藤井道人監督、横浜流星主演の『ヴィレッジ』(2023年)も、また違った視点による地方の隠れた闇のような部分をシリアスに捉えたサスペンス。そしてこの『嗤う蟲』、果たしてどんな恐怖?『嗤う』とは?『蟲』?要注目であります!
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